「学力の経済」を読んで(今日の1冊)

今回は、「学力」の経済(中室 牧子著)
を紹介します。

30万部のベストセラー本です。

個人的には、心理学や脳科学などから見た学びの仕組の方が、
好きなのですが。

「経済学」という側面から見た時に、
どんな教育をした方が「お得」なのか。

という視点は、「資本主義」経済を軸にした人にとっては、
手にしやすいともいえるのかもしれません。

経済学というより、「統計学」のような感じが、
私の印象です。

でも、内容を見てみると。結果的には、結構。
心理学や脳科学で言っているようなことに、近いことを言っている部分あるなと思いました。

それを「経済学」的な側面から見ても、
心理学や脳科学で言っているようなことをしっかり踏まえた方が、お得だよ。
ということを、根拠をもって示してくれたと言った感じでしょうか。

(正確には、その統計の解釈はまだまだ受取り手によっていろいろ考えられそうなので、
この書籍と合わせて、心理学や脳科学や教育に関する書籍をセットで読むのが
良いのかもしれません。)

この本の特徴としては、一人の教育学者が、教育について何かを論じるというよりは、
何かしらのエビデンス(根拠)に基づいて、端的に語ることです。

教育を語るときには、どうしてもある一定の誰かの「成功事例」をその人が、
「主観」で語ることが多くなりがちです。

しかし、教育というのは、実は正解がなくて。
同じことを、違う人にしたところで同じようにその子供は伸びるのか??
といったら、それは同じようにはいかないことが多いのかなと思います。

なので、たまたまその子どもが、その方法で、
伸びただけで、全体に照らし合わせた時にそれが果たして「正解か」
といったら、それはそうとも言えないわけです。

そこで、今回の書籍では、もっと客観的な視点で物事を見よう!
ということです。

誰かの主観ではなく、客観的なデータを基に、
もっともベストな教育とはどいうものだろうか?

ということです。
そういった意味では、非常に面白いアプローチだな~と思います。

その中でも、大きなテーマが。

「子どもを勉強させるために、ご褒美で釣ってはいけないの?」
「子どもはほめて育てるべきなの?」

です。
これは、子育てをすれば、多くの人が疑問に思うポイントかもしれません。

一般の感覚的には。

前者(ご褒美)は、「×」で。
後者(褒める)は、「○」といった感じでしょうか。

しかし、書籍ではこれは、間違いだと指摘している。

「ご褒美」することは、悪くないと言っている。
「目の前ににんじん」をぶらさげるようなものですが。
人間は、遠い将来よりも、目先の利益のほうが大きく見えてしまう性質がある。

とはいえ、そのやり方によって効果が変わる。
アメリカで、約3万6,000人の子供を対象に
①テストでよい点をとればご褒美 →結果に対して(アウトプット)
②本を読んだらご褒美      →努力に対して(インプット)

をすると。
学力テストの結果が、よくなったのは後者だったそう。

また、「褒める」ですが。
世間では、出来るだけ褒めた方がいい!というのが風潮の用ですが。
それも、やり方によっては、「逆効果」になるということです。

米コロンビア大学の実験では、
①もともとの能力(=頭のよさ)をほめると、子どもは意欲を失って成績が低下
②努力したことをほめたところ、成績が伸びた。

むやみに「褒めた」ところで、うまくはいかないわけです。

こうした子供に対しての褒め方や接し方などは。
「アドラー心理学」や「脳科学」の側面からもみると、
より深く読み取ることができると思います。

ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授の提唱した、人的資本投資の収益率よると、収益率は子供の年齢が小さいうちほど高いと証明されているそうです。
就学前(小学校入学前)がもっとも高く、その後は低下し続けています。
特に、3歳までの子供への投資が、その子のその後の人生にプラスの効果を生むそうです。

とはいえ、ここでいう「投資」は、お金をかければいい。
ということだけでは、なさそうですが。

子供にかけるお金は、年齢ごとに上がっていくというのが一般的な考え方だと思います。
でも、本当は幼少期にもっと充実した教育を受けれるようにした方が、効率的なのかもしれません。

これは、私もすごく同意で。

特に今は、ネット環境が整われていて、ありとあらゆる情報を得ることが出来て、
様々なコミュニティも存在しています。

そう考えると、例えば「中学生」ぐらいまでに、一般教養と自己学習能力を身につければ、
あとは、自分で自由にコミュニティを選んで、好きに自己学習をすればいいと思います。

その時に、必要であれば「高校」や「大学」に行けばいいし。
必要でなければ、行く必要もないのかなと思います。

そして、個人的には、実は行く必要がない人の方が、実際は多いような気がします。

ほとんどの人が、【小学校→中学校→高校生→大学生】と、進学することがまるで当たり前で。
【大学卒業】したことを【価値】として、企業も【雇用】する。
だから、高校や大学に行かなければならない・・・と、いうことだと思います。

しかし、こうした価値観は、そろそろ崩壊するのかな~と思います。
そうではなく、これからは、その人「個人」の能力に「価値」がつくようになっていくと個人的に思っています。

今までは、能力を見極めること自体が難しかったかもしれません。
しかし、今後はよりそうした能力が「可視化」されていき。
「どこの大学か?」ではなく「何が出来るのか?」

にフォーカスされると思います。
その為にも、画一された教育ではなく。

その子が「何がしたいのか?」
を深く探求できる力を養っていくことが大切なのかなと思います。

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