資産=幸せの基(7日間で見えてくる。相続の本質と全体像 2日目)

今日は、【相続争いを防ぐために】をテーマに解説していきます。
難しいテーマではありますが、相続対策をする上でもっとも重要なポイントになりますので、
是非参考にして頂きたいと思います。

遺産分割がまとまらないことで、何年も又は何十年も争いが続き
税金の支払いも増え、長期間にわたり心身ともに辛く悲しい思いをしなければならなくなる。
それが、【相続争い】です。

相続争いが起きる理由に誤った認識があります。

「子供たちの仲が良いから大丈夫」
「争うほどの資産はないから相続を考える必要はない」
「私が死んだら、子供たちがうまくやってくれるだろう」

こうした考えを持つ人も多く、相続対策を行わない人が多いようです。

しかし、現実には、相続争いは増え続けています。
しかも、資産が多いから争いになるのではなく、けして資産家ではない人も
相続争いに巻き込まれているのです。

下記がそのデーターです。

遺産総額で見た遺産分割で揉めた割合(家庭裁判所にて争われた遺産分割事件)

(遺産の総価額)    ⇒ 全体に対する割合
・1,000万円以下  ⇒ 全体の約31%
・5,000万円以下  ⇒ 全体の約43%
・1億円以下      ⇒ 全体の約13%
・5億円以下      ⇒ 全体の約7%
・5億円以上      ⇒ 全体の約1%
(算定不能・不詳分は全体の約4%)

なんと、相続で争った人の内、遺産総額が5,000万円以下の人が約7割以上となります。
このデーターから見ても、相続争いが資産の大小には関係ないことがわかります。
では、何故この『相続争い』が発生するのでしょうか?

①家督相続(長男が遺産を全て相続する)の考えと、権利に対する意識や平等に対する意識との対立
②法律上の知識不足 法定相続とは。
③法律上の知識不足 遺留分、特別受益、寄与分、遺言の誤った認識
④分けにくい資産(不動産など)の評価の仕方での争い。
⑤遺族の事情の変化(失業、倒産、病気、学費、住宅ローンなどの債務、他)
⑥子供の頃からの不平不満
⑦介護の負担(介護をした人、しなかった人の考えの対立)
⑧配偶者や、関係者のよこやり
⑨離婚、再婚などによる相続人の複雑化
⑩機能不全家族・・・など。

こうした様々な事情から、大きな相続争いへと繋がっていきます。
では、こうしたトラブルを未然に防ぐためにはどのようにしたら良いのでしょうか。

今日は、相続争いを起こさない為の【相続の見方・考え方】について
1つお伝えしたいと思います。
そこで、まずは、そもそもの相続の一般的な定義をお伝えします。

【一般的な定義】
相続とは、人が死亡した場合に、その者と一定の親族関係にある物が資産を承継すること。

これが、一般的な定義です。
ここで言う資産とは、ほとんどの人は貸借対照表の資産と考えます。
その為、この貸借対照表の資産を工夫することで、相続対策をする人がほとんど。
しかし、私は、ここで言う【財産の定義】に大きな落とし穴があると考えました。
そこで、皆さんに【私が考える財産の定義】をお伝えします。

資産=【幸せの基】と定義すること。

資産とは、貸借対照表にある資産という定義ではなく【幸せの基】
定義づけることで、資産の価値観が大きく変わるのではと思います。

例えば、どんなに「資産」を沢山残したとしても兄弟間の争いと憎しみが生まれれば、
それは、本当の意味で言う【資産=幸せの基】ではないということ。

逆に、「一般的な意味で言う資産」が少なくても、その人との思い出や、受け継いでいきたい志
ノウハウ、人脈など、様々なものが「資産=幸せの基」になりうるということです。

こう考えると、「お金」や「不動産」は必ずしも「資産=幸せの基」とはかぎらない。
ということであり、むしろ、そうした物があることで逆に不幸になることがあるということです。

人は、誰もが【幸せ】を望むものですが、相続対策を考え始めると、本当の目的を忘れてしまいがちです。

下記に、NPO法人相続アドバイザー協議会 副理事長 野口 賢次先生の言葉を引用します。

■平等は、公平ではない。

■得るは、捨つるにあり。

■相続人の幸せと財産は同じ方向を向くとは限らない。

■相続争いは勝っても負けても不幸になる。

■相手の痛みを知る。

■相続財産は棚ボタ財産

■相続は譲った人が必ず幸せになる。

■恨み辛みはエンドレステープ

■報酬はタライのなかの水

■徳は徳で掘り起こす

■感謝の気持ちと譲る心の大切さ

■相続をタブー視しない。避けずに向き合う

■相続=死と考えない。生+死のセットで考える。

■相続を考えることは、いかに生きるかを考えることでもある。

■生きていたことの結果が相続である。

■相続には生き方が現れる。生きた通りに死んで行く。

■生きるのは凄いこと。亡くなった人をねぎらい尊ぶ。

■生き方・幸せの感じ方・人生の価値観は、一人ひとりみな違う。

■継ぐより分ける生き方もある。

これらの言葉の意味を、考えることであなたにとっての『相続』が見えてくるのではと思います。
次回は、相続争いを防ぐ為に、具体的な法律知識を解説していきます。
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